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黄龍
2011年7月28日、今日は昨日とは打って変わり雨模様だ。我友に5時ごろ電話で起こしてもらって5:30頃ホテルの前でツアーバスを待つが、何故か他のツアーメンバーがなかなか来なかった。何か妙な雰囲気。我友は明け方に何度もトイレに行ったとのこと。 私は、それは大変だったねと聞き流し、我友とバスの最前席に乗車。 バスはこのホテルを出発した後、3星級のホテルで広西自治州の家族を乗せ九転坂を下って行き1星級ホテルへ立ち寄る。すると既にバスに乗っていた何人かがホテルのトイレに行ってなかなか帰ってこない。
ともあれまもなく出発。


黄龍
九寨溝のホテルから空港まで80km、さらにその先、空港から黄龍まで42km。黄龍は、標高5,588mの岷山山脈主峰の雪宝頂山麓にある石灰華で作られた無数の小さな池がある中国で2番目に登録された世界自然遺産。その池が巨大な龍の鱗のように見えるので黄龍という名前がついたのであろうか?
黄龍の地図

黄龍の地図

紅星路医療駅

紅星路医療駅

空港に近づくと車内では「トイレ、トイレ」の大合唱。どうもツアーメンバー全員が軽い食中毒にかかったようだ。昨日の少し赤味がかった羊肉が原因? それともたいして手を洗わず箸を使わずに食事したことが原因? ともあれこの医療駅での休憩では、皆トイレに駆け込んだ。敷居が殆ど無くドアがないトイレでツアーメンバーの多くがしゃがんでいる姿はちょっと異様だったかも。

私一人何故かまったく問題なく外でタバコを吸ってぶらぶらしていた。たしか昨夜は羊肉を殆ど食べず、さらに寝る前に二狗头で消毒したのが効いたのか?

日本ではこのようなことは大問題になるが、中国ではだれも怒る人がいない。出された食事を食べるかどうかは本人の判断で、食事を出す側の責任ではないのだろうか?何事も相変わらず面白い国だなと思った。日本の女性にはちょっとこれは耐えられないと思うので、危ないと思った食材は絶対に食べないようにしよう。

また休憩所が医療駅というのも面白い。今日は3,700m近くまで登ることになるので、我友は氧气(酸素)ボンベを買ったり高山病の薬を買ったり忙しい。この店はこれらの売上以外に急遽胃腸薬も売れたのでほくほくであっただろう。ガイドさんへのリベートもばっちし?
紅景天

氧气(酸素ボンベ)と紅景天

左の写真の右側が高山病の薬。私はこのような物は一切信じないが箱には次のように記載されている。
「本製品は、チベットの野生植物、ローディオラ・ロゼアを原料として選び、超音波抽出技術と独特なバイオテクノロジーを利用して口当たりも胃腸にも良くないタンニン成分を除去した上、さらにクコのエキスを加えて精製した製品である。本製品の特徴は、ローディオラロゼアグリコシドの含有量が高く、身体に吸収されやすいこと、口当たりも良いこと、したがって高山病を予防、治療する効果が明らかなことである。高原に入る前に早めに服用すると効果が大きく、また高原に入った後でも2倍服用すればさらに効果が大きい。」

我友はいやがる私に無理やり飲ます。 そもそも高原に入って調子が悪くなったら2倍服用すれば「さら」に効果があるとのことだから、調子が悪くなってから飲めばいいじゃない?
そして写真の左は我友の酸素。我友に「いったいいくらしたの?」と聞いても教えてくれない。「あなたはいらないのか」と言うので、「普段からタバコを吸う人間は薄い空気に慣れているので高山病にならないよ」とうそぶいた。でもあながち嘘ではないかも。とにかく私は薬とかこのような物が大嫌い。
拉斯狼

拉斯狼

医療駅から黄龍までは拉斯狼、松林坂等の高山を越えていく。この高山の山肌では馬、牛、羊等が放牧されている。それらはどうやって帰ってくるのかとの我友の素朴な質問。
拉斯狼、松林坂から

拉斯朗、松林坂から

九寨黄龍空港から黄龍方面へ向かうX120号道路の最高点は海抜4,000m以上とのこと。遠くに見えるのは地図上で見ると火焰山か?途中、峠には駐車場・展望台があるが、霧が深くて何も見えない。この峠を越えるとまもなく黄龍に着く。黄滝の入口は海抜3,186m。
黄龍入口

黄龍入口

結局、中毒さわぎで到着が遅れたこともあり、今回はロープウェイを使って上まで登っていると15時の飛行機に間に合わないとのこと(普通はロープウェイで登って五彩池を見て徒歩で下ってくるようだ。)。したがって10:30までにここの入口から登れる所まで行って帰って来いとのこと。ひどい旅行だ。ガイドが言うに「九寨溝と同じ」なので五彩池まで行っても仕方が無いとのこと。そういう問題だろうか?
飛瀑流輝

飛瀑流輝

黄龍の入場券(門票)は200元。
我友は景区内に入ってもお腹の調子が今一のようで、この滝でリタイアして休憩するとのこと。仕方がないので私だけ登れるところまで登ることにした。
我友はいつも旅行中に風をひくだのお腹をこわすだの。。
蓮台飛瀑

蓮台飛瀑

洗身洞

洗身洞

飛瀑流輝を超えしばらく進むと蓮台飛瀑に出る。その滝をぐるっと回ると洗身洞に出る。 標高3,285mの洗身洞を越えると下の写真の岩肌(金沙舗地)が延々と続く。ここから景色が単調なので大変だが可能な限り早く走って登っていく。

金沙舗地は愛媛県の「雪輪の滝」に似ており広い斜面を水がなだらかに下っていく。ここはこれから池になるのか、もともと池だったのか不明だが、黄龍の池群を構成している石灰岩のスロープである。なおパンフレッドによると金沙舗地の長さは1.5km、広さは70~200mで専門家は世界中にあるこのような地形の中で最も壮観であると言う。
したがってこのスロープを登りきるためには少なくとも10分はかかる。
黄龍の階段

黄龍の階段

黄龍の景区内はこのような階段が延々と続くが木でできているので足への負担がとても少なく登りやすい。せっかく来たのだから走って行けるところまで行くことにした。海抜3,000m以上の高地等なんのその。日ごろ通勤で鶴見の丘を早足で登ってきたので、すいすいと走って登れる。そして先行する観光客を次々と抜いていった。
呼吸はまったく苦しくないどころかいたって調子が良い。先ほど飲んだ「紅景天」のせいでは絶対ないはず。また1時間もあれば標高500mは登れるはずである。
さらに進むと「盆景池」,「明鏡倒影池」等単独の池が現れる。
その先に争艶彩池という池群が現れる。ようやく黄龍らしい風景となる。その標高は3,420mなので入口から240m登ったことになる。
金沙舗地

金沙舗地

盆景池

盆景池

金沙舗地

金沙舗地

荒涼とした岩肌がまだまだ続く。
明鏡倒影池

明鏡倒影池

争艶彩池

争艶彩池

争艶彩池

争艶彩池

争艶彩池

争艶彩池

接仙橋

接仙橋

ようやく標高3,500mの接仙橋に着く。もう10時19分。この先もう少し進んでみたが、とくに近い所にはなにも無いようだったので折り返すことにした。しかし後で考えると終点の五彩池の標高が3,555mなのでもう少し時間があったら最後まで行けたのになと思うとちょっと残念。
下る途中の右手には木立の中に婆夢映彩池(標高3,445m)がある。私が下っているとようやくツアーメンバーの一部の方が争艶彩池まで登ってきた。
婆夢映彩池

婆夢映彩池

とにかく下で待っている我友のために早く帰らないといけないので階段を1段飛ばしでぴょんぴょんと跳んで降りていったら、なんと我友をどこかで通り越してしまったようだ。中国人のツアーメンバーが最初は何を言いたいのかわからない英語で話しかけてきた。つまりYour friend is wating for you.と言いたかったようで、わが友は少なくとも自分よりも上にいることがわかった。携帯電話で何度も我友と連絡を取りあってようやく上から下ってくる我友と合流することができた。
川主寺鎮

川主寺鎮

それから入口に戻りバスに乗る。我友がバスの中でお菓子を食べ始めたので、「腹大丈夫か?」と聞くと、我友は「肚子痛也吃饭」(腹が痛くても食べるよ)との答え。そして来るときにも通った4,000m級の峠を越え空港に近い川主寺鎮へとバスは進む。ここで昼食。この町は四川地震で大きな被害を出したとのことで、あたりの建物はすべて建て替えられたそうだ。
大唐酒家

大唐酒家

ここで昼食。なお新築されたといってもこのような食堂でトイレに行くのは止めよう。「トイレを綺麗に」という発想はあまり無いよう。
食後、一件の土産店に立ち寄り空港へ。他のツアーメンバーは15:00の便で成都に戻るが、我々は別に重慶行のフライトを手配してもらっていた。そのフライトは四川航空 3U8897 19:00発。
九寨黄龍空港の头等舱休息室

九寨黄龍空港の头等舱休息室

我々だけは4時間も待たないといけないので、ガイドの特別な計らいで本来60元/人のファーストクラス休憩室を50元で使わせてもらえることになった。お茶が飲み放題でパソコンもあるので外の喫茶店に入るよりはかなりお得なようだ。何人かの客がこのように横になって休んでいた。
フライトはほぼ予定どおりに重慶江北国際空港に着き、空港班車(リムジンバス)で市内(15元)へ。乗場はすぐにわかる。終点は嘉陵橋路にある上清寺。ここから重慶市内へ多くのバスが発車する。 もちろんこのリムジンバスは到着フライトの最終まである。
重慶の牛角沱店

重慶の牛角沱店

上清寺バス駅から重慶駅前の本日の宿泊場所の美渝大酒店まではタクシーで12元。どこの町でも同じだが、リムジンバス(机场班車)駅の近くは白タクが多く普通のタクシーに乗るのが大変だが、ここは根気良く待つしかない。
ホテルでチェックインした後、さらにタクシーに乗ってドライバーに「火鍋」の美味しい店に連れて行ってもらった。重慶の火鍋は四川省よりさらに辛く魅惑的である。また気温も成都より重慶の方がさらに高く、日中36度だったとのことだが現在は32度。
この店で十分火鍋を堪能し、タクシーでホテルに戻り、駅の近くで二狗头や水を購入して各自の部屋へ。明日は大足へ行くためまた6:15出発とのこと。今回のツアーは本当に疲れる。

なお今回の九寨溝及び黄龍の旅行代金は成都からの飛行機代往復及び観光バス、九寨溝のホテル(夕食2回、朝食1回込み)、入山料、景区内バス代及び黄龍の入場料を含めて3,000元(約38,000円)。ただし我々は九寨黄龍空港から重慶に飛んだためさらに1,000元とられた。成都双龍空港⇔九寨黄龍空港のフライトが通常片道1,000元位なのでかなりお得。但し乗れなかった黄龍のロープウェイは別途で片道80元。
重慶駅前のこの便利なホテル美渝大酒店は朝食込みで一泊200元(約2,500円…四川青年旅行社の紹介による)。ちょっとフロント員の愛想は悪いが風呂には浴槽があり清潔で人気があるようだ。

追記:鶴見の台屋のママも九寨溝にいったことがあるのだが、水がとても美味しかったとのこと。確かに我友も水を飲んだような?私は飲まなかった。ひょっとして強い石灰分が腹を壊す原因だったのかもしれない。 水が綺麗といっても濃度の高い硬水であることは確か。そういえばカルスト台地が広がるギリシャに行ったときもホテルの水を飲んで腹を壊した記憶があるような。
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