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甘粛省〜蘭州
本日(4月30日)は市販のガイドブックには行き方が明確に記されていない甘粛省永靖県の炳霊寺石窟を訪れる。ここもとても行きにくい観光地であることが判明した。中国の友達のおかげで当日の旅行が完遂できたことはただただ感謝!

甘粛省蘭州の炳霊寺石窟
2009年4月29日は蘭州のホテルで食事を取った後,9時前に昨夜友達が予約したハイヤーで出発し劉家峡ダムへ向う。実は市内から定時バスもあり10元程度でも行けるとのことであるが,バス乗場も不明だし,荷物を預かってもらう都合上ハイヤーを選択した。費用500元の先払いを求められるが,友達が交渉し200元先払い300元後払いとした。その200元は運転手とは別の観光会社の人がさっさとピンはねしてどこかへ消えていった。友達が「残り300元ですよね」と運転手に確認。運転手は間違いないとのこと。これは中国では必ず確認しておかないといけない。「紹介料は別」と言われかねないからである。
ホテルを出発し黄河の左岸を遡上し,まもなく山に入る。道は良く整備されているが,車のサスペンションはひどい。約2時間で劉家峡入口の船乗場に到着。途中定期バスを何回か追い越したので,それはかなりの本数あると思われる。そのバスもとても古くサスペンションが悪そうである。時間が十分あるのであればバスでも良いがやはり安全を見てハイヤーをお勧めしたい。

蘭州付近の地図

劉家峡港区客運サービス駅

11:00に炳霊寺石窟行船の切符売場に到着。切符の購入はとても面倒である。
炳霊寺石窟までの船の種類(現地の看板より)
  1. 大型甲級遊船:2階建,船内は比較的清潔,騒音が少ない,往復35元,往復7〜8時間,定員60〜100人,70%〜80%の乗客で出航。最終便12:00
  2. 大型乙級遊船:1階建,船内は比較的清潔,往復30元,往復7〜9時間。定員25〜45人,70%〜80%の乗客で出航。最終便12:00
  3. 高速遊艇:船内は片付いている,往復95元,往復3〜4時間,定員7名,最終便17:00
上記の往復時間には約1時間の観光時間が入っているようだ。

劉家峡の船乗場

大型甲級,乙級だと,蘭州駅に戻るためにはさらに2時間必要なので22時35分に蘭州を出発する列車には間に合わない可能性が大。したがって高速遊艇を選択せざる得ないが7人集まらないと出発しないという不便さ。
友達がその辺にいる中国の2組のグループに声をかけてようやく6名。 どうしても6名。その内の1組は女学生らしく1人は上海から,もう1人は広州から来たとのこと。夕方18:00の飛行機で戻るとのことで彼女たちも非常にあせっている。
6人なら95×7÷6=111/人元,2人なら95元×7÷2=333元/人となる。まもなく6人で通常料金でOKということになった。あと1人船舶会社の従業員の子供(?)を乗せて出航。

高速遊艇

これが高速遊艇。乗船するときは細心の注意が必要。1人づつ静かに乗らないとひっくり返ってしまう。 運転手を含め8人揃いいざ出発。出発するやいなや給油スタンドへ立ち寄る。女学生の1人が,何で事前に給油していないのかと文句を言っている。

劉家峡1

劉家峡は黄河本流を堰きとめて作られたダム湖。波は静かで岸辺には草原が広がり遠方には岩の山脈がごつごつと続く。皆キャーキャー言いながら窓を開けて写真を撮る。

劉家峡2

劉家峡中央はこのように広い。遠方に高い山脈が望める。あの先は昨日いた青海省であろう。劉家峡の終点に近づくと多くの奇岩(山)が次々と現れ迫力があり感動的である。

炳霊寺の船着場

炳霊寺の船着場では数々の奇岩(山)が目前に迫って圧倒される。
炳霊寺は入場料50元。上海と広州の学生には学割があり半額。なお石仏の上まで登れる券は300元と高額。雨も降り始めたので20元で傘も購入。

炳霊寺石窟

炳霊寺は西暦420年十六国時代の西秦時代から造り始められ,北魏,北周,隋,唐,宋,元,明の時代にも継続して造られてきた。下寺部,上寺部と洞窟の奥の部分に216の石窟があり,仏像800,壁画1000平米にものぼる。各種仏塔50個,彩陶,金銅造像,唐片,仏経等文物400も発見されている。1961年に全国重点文物保護単位に指定された。
石窟群を巡るのには約1時間必要。これが石窟群の全貌。岩肌に杭を打ち付けて造られた廊下を通って巡る。 石窟大仏の上部の壁面にも廊下が造られているが,そこに登るのが300元とのこと。そこから奇岩,奇山を眺めるのが最高と知ったのはこの石窟群の観光が終わったあとである。しかし急な壁面を登る階段はとても怖そうである。

老君洞

石窟群を一巡し船着場に戻る途中撮影。中国はよくこんなに危険な岩壁に建造物や石窟を作るのかと関心してしまう。。

さて,女学生達の飛行機の時間もあり船着場へと急ぐ。船着場前の売店で友達がゆで卵10個とソーセージ10本位を購入。皆で食べるのか?と聞くと我々の分だと言う(笑)。中国人はソーセージが本当に大好き。それを帰りの船の中で昼食として食べる。 また我々が昨日列車に乗る前に購入したひまわりの種を全員でぼりぼりと賞味。 何故中国人はこのような殻付の食べにくい物を好むのか、想像するに、 列車,バス等あまりにも長時間乗るのでこのような物がないと時間がもたないからであろう。

劉家峡の船着場に戻ると,日本の中年婦人のグループに会う。 黄山でもそうだったが,こんなに旅行が難しい所でも日本の中年女性が進出していることにはただただ驚くばかり。中国人のガイド(友達?)が同行しているようだ。

さてハイヤーが待機している駐車場へと向う。運転手は我々が低速艇で行ったのではないかと7時間位待つのは覚悟していた様子。予想外に早く帰ってきて喜んでいた。蘭州駅周辺で好物の「火鍋」の店は無いかと聞くと,そこには無いとのこと。それで黄河を望む素晴らしい店(京趺賀肥牛・北濱河店)に連れて行ってくれた。

黄河と蘭州市内

京趺賀肥牛・北濱河店の2階から撮影。 火鍋というのは本場中国のしゃぶしゃぶ。 日本のしゃぶしゃぶとは違い羊肉,牛肉の他エビ,キノコ,海草,御当地野菜等さまざまな食材をふんだんに使用する。 また予め出汁になる各種具材が入っている。 この店の「羊肉,牛肉」は日本の霜降りの肉と違い,赤く美しく,脂が殆ど無いのにとても柔かく最高であった。 これは3,000m以上の高原で自然に放牧されている牛や羊の肉なので,日本のように平地でビールを飲ませて無理やり作る育てる牛とはひと味違うのかも。ふんだんに肉を注文したため,400元は覚悟していたが結局2人で140元(2,000円強)であった。

蘭州駅

ここ蘭州から銀川まではフライトがない。つまり前夜切符を購入したK916号等の列車に乗るしかない。
※駅の近くのバス東駅から銀川行のバスがあるようだが、出発時間、所用時間とも不明。多分客が集まり次第発車するのであろう。
西寧始発のK916号列車は定刻の22:32をかなり過ぎて発車。2等車(硬座)は「無座(立席)」の人も乗り込むため超満員。 中国の列車は日本の新幹線と同じように片側2席,もう片側3席となっているが,2席の所に3人,3席には4人も座る。 困った人を助けるという中国らしいところ。 ここから銀川までは9時間強。 9時間も列車で立っていられる人はまずいないので,結果としてこのようにぎゅうぎゅう詰めで座ることになる。 それでも溢れた大勢の人々の何人かは床やデッキに座り込んだりしていたが,殆ど座り込むスペースも無いほど超満員。デッキは隙間風でとても寒い。 また硬座は垂直型座席のため,前のテーブルにうつ伏せにならないと眠れないが,テーブルも狭いため,交代でうつ伏せになる。 我々もぎゅうぎゅう詰めの席で代わり番に睡眠(できたのかな?)。
トイレはめちゃくちゃ状態。途中気分が悪くなった女性がトイレに間に合わず通路であげてしまう。しかし通路が汚れても誰も気にしない。中国の逞しさを感じる。
次第に夜が明けていくと,窓の外は砂漠であった。銀川に近づくにつれ砂漠の灌漑,緑化が進んでいるのがわかり,砂漠に造りかけの水田や植樹された木々が増えていく。
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