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伊予の山岳と渓谷

新緑の石鎚山、四国カルストそして滝々

四国は東西に剣山・石鎚山を戴き、各々の中腹からは数々の高峰が望まれる。 それだけ山岳が険しい。 この山々は大量の水を蓄え、それが湧き水となって渓谷へと流れ込む。 高い山のない香川県ではしばしば水不足に悩まされるようだが、その他の県では十分な水量がありそうだ。 豊富な雨量は森林を豊かにし秘境を作り出す。そして多くの秘境の滝が生まれる。
それで、100名瀑へと導く道も細く心もとないものが多いのだろう。 都会しか運転しない人達にとってはこの細い道を運転するのは恐怖かもしれないが、慣れてくるとこれほど愉快で楽しいものはない。
はYafooの地図です。適宜縮尺を変えて付近の道や位置関係を確認ください。


滝名場所 徒歩の高低
80御来光の滝愛媛県久万高原町石鎚スカイラインからは0m
79雪輪の滝愛媛県松野町100m程度





石鎚山と御来光の滝
5月1日5:00、広島五日市を出発。 山陽自動車道も混雑することもなく、1時間余りで尾道ICに着く。 ここから一旦一般道に出て「しまなみ街道」を経て四国愛媛県今治市に入る。
今治からまた一般道におり、今治小松自動車道-松山自動車道を経て、川内ICへ。 川内ICから国道11号線を少し小松方面へ戻ると、まもなく国道494号線の入口がある。 入口からしばらくは、片側1車線ずつの走りやすい道だが、まもなく、往復で一車線の細く曲がりくねった道となる。
途中「白猪の滝」、「唐岬の滝」等の看板があったが、ここはまず目的の「石鎚山」へ向う。 この細道はやがて標高980mの「黒森峠」を越していく。 面河ダム湖の湖岸を経てしばらく進むと、「面河峡」、「石鎚スカイライン」方向への分岐がある。 ここを左折すると、石鎚山の車で登れる最高点である「土小屋」までは片側一車線ずつのとても良い道である。 途中「面河峡」方面と「石鎚スカイライン」方面への分岐がある。この分岐から「石鎚スカイライン」に入る。

肉眼で見た御来光の滝

当日は天気が非常に良く、窓を開けて走る石鎚スカイラインは快適そのものである。 しばらく進むと石鎚山系を構成する山々が見えてくる。 「御来光の滝」が望める展望台は、スカイラインの終点に近い。 山頂に向って道路の右側に「御来光の滝展望台」がある。 ここから目を凝らして見ると、谷を隔てた石鎚山々の中腹に白く光るものがある。それが「御来光の滝」である。
しばらく遠方を見ていると少しずつ目が慣れてくる。

望遠鏡で見た御来光の滝

ここには「小松製作所」製の望遠鏡2台があり100円で90秒観ることができる。 この望遠鏡を通して見ると、肉眼では白い布のようにしか見えないこの滝の水の落下がはっきりと見える。 険しい斜面を落下する荘厳な滝である。
撮れるかどうか心配であったが、デジカメをその望遠鏡に押し付けて撮ったのがこの写真。
なお、この2台の望遠鏡は時間が切れた後すぐに100円を入れると、ただ「ご馳走様」と飲み込み何も動作をしない。 次の90秒を見たいときは、しばらく望遠鏡にお休み時間を与えてから100円玉を投与しないといけないようだ。
2006年5月1日

石鎚山

この展望台からもうしばらく進むと、車で上れる最高地点の「土小屋」に到達する。 これは、「土小屋」から眺めた石鎚山系である。左から堂ケ森山、二ノ森山、そして右端が南尖峰。 またここからは東西に四国の険しい山々が一望できる。

面河渓

さて、「土小屋」から再び今来た道を西へと戻る。途中「面河渓」への入口があるので入ってみる。白い岩岩が特長の美しい渓谷であり川に沿って遊歩道がある。
それから、石鎚山を後にし国道494号に戻り国道33号方面へと向う。国道33号に入ると途中久万高原町落出から国道440号線に入る(地図が古かったため入口を探すのに多少苦労した。)。

四国カルスト

国道440号は相変わらずの細い道となり延々と峠へと続く。「地芳峠」を過ぎ左折すると、四国カルストこと「姫鶴平」に出る。 山口県の「秋吉台」とは違い、山頂がカルスト(石灰岩の低木の平原)である。ここからは遥かに「石鎚山」等を望むことが出来る。 ここの食堂で昼食。蕎麦はなく、山菜うどんを賞味。四国はやはりうどんか?

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滑床渓谷の 雪輪の滝
石鎚の御来光の滝を見学した後立ち寄った「姫鶴平」からは、国道440号線に戻り梼原(ゆすはら)の看板を目指して南下する。 この国道もあるときは広くなり、またあるときは、農家の裏道のように狭くなる。 梼原からは、片道1車線ずつある国道197号,320号線を宇和島方面に向う。これは快適な道である。 さらに381号を左折し松野町松丸から「滑川渓谷」の看板をたよりに県道を南下する。 道は細いが無難に滑川渓谷に到着。

出合滑

滑床渓谷は鬼ケ城山系にある全長15qに及ぶ花崗岩の渓谷。「雪輪の滝」までは1km強ある。川の左右に遊歩道がある。 途中「出合滑」というなだらかな花崗岩の斜面があり、その間を水が穏やかに流れている。 そこでは、若いカップルが、写真を撮ったりして仲良く戯れていた。 さらに登っていくと「霧が滝」の下流の「横壁」、そして、小さな滝が次々と現れる。

雪輪の滝

「雪輪の滝」までは約1.2km。少しずつ道は険しくなっていく。そして、目の前に巨大な1枚岩の斜面が現れる。長さ80m、幅20mの巨大な花崗岩の斜面を水がまるで雪の輪のように飛沫を作り、その飛沫がひらひらと落下しているように見える。これが「雪輪の滝」である。横には大きな甌穴があり、若いカップルがそれを見下ろす岩の上に座って楽しそうに語り合っていた。
2006年5月1日

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