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山西省〜大同の旅

七つの世界文化遺産の旅
三国志で有名な後漢の滅亡とともに中国は長年の分裂と戦争の時代に入る。 その後北部には北魏等の有力な国家ができるが統一には至らず結局隋唐時代に入りようやく統一国家となる。 この時代に国民の不安を取り除き国家の安泰を願って造営されたのが雲岡石窟群。 悠久の中国の歴史を肌で感じることができる。


雲岡石窟観光

さて当日は昨晩就寝が早かったこともあり5時頃目覚める。 友達と出発を約束している7:30まではまだ相当時間があるので大同市内を一人で散策することにした。

大同地図


大同市内(賓西街)

ホテルは兵西街にある。兵西街を東に向うとまもなく大同テレビ局、そして左折すると児童公園があり、朝から多くの人がジョギング、ストレッチ、そして太極拳を行っていた。

宏安国際酒店

この5泊の旅行の中では最も立派なホテルで一応4星級。 浴槽に水が溜まるのはここと最後の鄭州の紅珊瑚ホテルだけであった。

世界文化遺産C 雲岡石窟〜雲岡全体

友達が昨日のタクシーの運転手に連絡し、半日チャーターしてくれていた(100元:1,500円)。 今日は、この一連の旅行の中では最も遅い7:30出発。 ホテルから雲岡石窟まではタクシーで20分もあれば到着する。 途中石炭の採掘場(馬武山炭鉱)があり、周辺に多くの宿舎が建ち並んでいた。 また石炭の山もあちこちにある。 日本ではちょっと見られない、同時に複数の貨車に石炭を積み込むの基地がある。 この石炭が中国の空気汚染の主要な原因となっているのであろう。
石窟の入口には8:00前に着いたので開園の8:30まで入口右手の食堂で朝食を取る。 石窟の入場料は60元(約900円)で磁器カードの入場券。

雲岡石窟入口

石窟群への入口は第5窟の前。 右に第1〜4窟があり左に6〜53窟がある。 ガイドブックには東西13kmの石窟群と書いてあるが、実際は1〜53窟まで1km前後。 有名な20窟よリ先は小石窟が続きすぐ終点となる。

雲岡石窟(第3窟)

右側の第1〜4窟は東部諸窟と言い、石窟の奥が深い。 特にこの中で有名なのが第3窟(阿弥陀佛)。菩薩を従えている。 初唐の614〜741年に建造されたとのこと。

雲岡石窟(第6窟〜8窟)

第5窟から第13窟は非常に華かで石窟内部に無数の石佛がある。 特に9〜13窟は5華窟と言われる。 北魏の471〜494年建造とのこと。

雲岡石窟(第9〜10窟)

9窟10窟になると、石窟の前にさらに石柱があるというさらに豪華な 構造になっている。また石窟の前壁にも美しい無数の佛像が刻まれている。

雲岡石窟(第17〜18窟)

第16〜20窟は北魏の460〜471年に建造された雲躍5窟。 この第17〜18窟は大佛の顔が窓から見えありがたい。

雲岡石窟(第20窟)

大型の大佛の最後は最も有名な露天大佛の第20窟。この結伽趺座佛は高さ14mでありその慈悲深い面持ちが人気がある。
第21〜53窟(494〜525年)は西部諸窟と言い、第20窟の上から左に続くがとても小さい。最後の第53窟は草むらの中の洞穴。 なお第53窟付近から大同の石炭住宅が見下ろせる。
中国では他に四川省の楽山大佛を見学したことがあるが、どの彫刻も非常に慈悲深く温和な表情をしている。 雲岡石窟はどの石窟も2体から無数体の彫塑からなり合計すると2万5千体あるとガイドブックには書いてある。
急げば全体は1時間で見学することができ、じっくりと見学するのであれば半日というところ。出口を求めて第5窟あたりをうろついた、それは第14窟あたりにあった。

九龍壁

石窟の入口でチャーターしてあったタクシーに乗り、ホテルに寄りチェックアウトした後、大同駅に向う。 途中「九龍壁」に立ち寄る。 入場料は10元(150円)。 中国3大「九龍壁」はここと、北京の故宮、北京の北海公園にあるとのことだが、故宮、北海とも九龍壁があることには気がつかなかった。 なお大同の「九龍壁」が最古で最大といわれている。 運転手によるとこの9匹の龍は過去壁から抜け出して前面の池で遊び回っていたが、日本軍が龍珠を盗んだため壁から出ることが出来なくなったとのこと。 思い当たる日本人は蔵や押入れを探し、もし「龍珠」があったら返却し龍をまた自由にしてあげてほしい。。。。。

K614

北京への帰りの汽車はK614号12:48大同発18:42北京西駅着。今度は2等寝台70元(1,200円)。 固定式の3段ベッドでワンボックス6名が定員。最初は下段のわれわれ二人しかいなかったが、途中の駅で次から次へと乗客が乗ってきた。 日本の寝台車では日中は中段、上段のベッドはたたんで、みな下段のベッドに(仲良く)座るが、中国では日中でも寝台車は寝台車。 中段,上段の客は日中でも中段、上段のベッドに登り寝なければならない。 もしくは通路側に折りたたみの椅子があるのでそこに座るか。 我々は下段の切符だったので下段で座っていたが、途中の駅から乗ってきた乗客の切符には「3号車上段」としか記載されておらず、上段の空いているところで適当に寝てくれという意味か。

2等寝台車内

上段の客が上段に登らず通路の折りたたみ椅子に座るので、途中車掌が上段に登り寝心地を確かめていた。 そんなに悪くはないじゃないかという表情で降りてきた。 この列車は「新空調」ではないので、窓を開けて外気を取り入れるのだが、気候も良くとても爽やかであった。 なお車両の両端でタバコが吸えるが灰皿がないので携帯灰皿(か空缶)は必須。タバコを吸っていると知らない女性客に「開水なーり(熱湯どこ?)」と話しかけられた。 もう十分中国人になったのか。
さて到着した北京西駅は北京駅より新しく近代的。この南口の地下からタクシーに乗って車公荘街にある「新大都飯店(ホテル)」へ。
北京市内で4星級で200元(3,000円)/泊というインターネットで申し込んだ破格のホテル。 立派なホテルのフロントにインターネットの予約表を提出したら、受付は第三楼とのこと。 ホテルを出て第三楼に向うと、民宿のような受付がある。ここで鍵をもらい今度は第ニ楼に向う。 幽霊屋敷かと思ったが部屋はそれなりにきれい(浴槽以外は)。 浴槽はぼろぼろで栓がなくシャワーの蛇口は割れ四方八方に湯が飛び散りまた温度調整も大変だが根気良く温度調整をしているとその内なんとか浴びれる温度になる。 しかし、カーテンは古いが非常に高価なもので新築ホテルが林立しなかった時代には一流ホテルであったことが偲ばれる。
夕食はもう疲れたこともあり新しい「本館」で済ます。明日も7:00発という早朝出発である。
参考情報:大同→北京
○汽車 所要時間約6時間
北京駅行:2:42,8:11,13:34,13:40,20:59,22:25,22:34
北京西駅行:1:28,1,36,3:09,3:53,5:41,12:48,14:18,18:37,22:59,23:25,23:51
北京北駅行:1:17,12:35
○バス
北京六里橋長距離バスターミナル他、2:00,8:00,9:00,10:00,11:00,14:00,15:00,16:00

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